「タクシー 13勤務」という言葉を目にして、意味が気になっている方もいるのではないでしょうか。
求人などでは、1か月の出番(乗務)が13回であることを「13勤務」と表す例が見られます。本記事では、この「13勤務」の意味を整理したうえで、混同されやすい日勤の拘束時間「13時間」の基準(改善基準告示)や、隔日勤務との違いを解説します。

あわせて、隔日勤務との違いや、睡眠・給料への影響についても紹介します。
- 「13勤務」の意味(月の出番数)と日勤の拘束時間13時間との違い
- 日勤・隔日勤務の拘束時間ルールと、月13勤務の拘束時間の目安
- 隔日勤務の睡眠・給料への影響と、求人票で確認したいポイント
1.「タクシー13勤務」とは?月の出番数を表す言い方
「13勤務」という言葉は、公的資料には定義が載っていません。一方で、タクシー会社の求人では、1か月の勤務(出番)の回数を「11勤務」「13勤務」のように表す例があります。
ここでは、「13勤務」の意味と、隔日勤務で月13回働く場合の拘束時間の考え方を解説します。
求人では「1か月の勤務回数」を指す例がある
タクシー会社の求人では、「11勤務」「12勤務」「13勤務」のように、勤務数を選べると案内する例が見られます。この場合の「13勤務」は、1か月に13回出勤する働き方を指していると考えられます。
ただし、言葉の使い方は会社によって異なる可能性があります。求人票や面接では、「1か月の勤務数」と「1回あたりの拘束時間」をあわせて確認しておくと安心です。
隔日勤務の乗務回数は月12〜13回の例が紹介されている
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、大都市の隔日勤務の例として、1回19時間の勤務のうち3時間を休憩とし、翌日は休みで月に12回から13回乗車する働き方が紹介されています。
隔日勤務で働く場合、月13回前後の勤務が一つの目安になるといえるでしょう。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「タクシー運転手」
月13勤務の場合の拘束時間の考え方
隔日勤務の1か月の拘束時間は262時間以内とされています。地域的その他特別な事情がある場合は、労使協定(会社と労働者側が結ぶ取り決め)により年6か月に限り270時間まで延長できます。
この上限を13勤務で割ると、1回あたりの平均は262時間なら約20.2時間、270時間なら約20.8時間です。
一方、隔日勤務は2回の平均で1回あたり21時間以内とされています。13回すべてを21時間いっぱいまで使うと273時間となり、月の上限を超えてしまうため、実際には1回あたりの拘束時間を調整する必要があります。
なお、これは法令上の上限から計算した目安です。実際の拘束時間は勤務先の勤務設定によって異なります。
2.日勤の拘束時間ルールの基本|「13時間」の基準とは
「13勤務」とは別に、日勤の1日の拘束時間にも「13時間以内」という基準があり、名前が似ているため混同されやすい点です。
ここでは、この基準の根拠となる改善基準告示の内容と、日勤の1日・1か月の拘束時間の上限について解説します。
拘束時間13時間以内が原則、例外的に上限15時間まで
タクシー・ハイヤー運転者の労働時間については、厚生労働省が定める「改善基準告示」というルールがあります。
2024年4月以降の基準では、タクシー運転者の日勤(始業と終業が同じ日に属する勤務)の場合、1日の拘束時間は13時間以内が原則とされています。
なお、ハイヤー運転者には別の考え方が適用されます(詳しくは後述のよくある質問を参照)。
ただし、延長する場合の上限は15時間までとされており、14時間を超える回数はできるだけ少なく、週3回以内を目安にすることが求められています。
なお、ここでいう「1日」は、暦の1日ではなく始業時刻から起算した24時間を指します。
1か月の拘束時間は288時間以内
日勤の場合、1日の拘束時間だけでなく、1か月の拘束時間にも上限があります。
2024年4月以降は、1か月の拘束時間は288時間以内とされています。改正前は299時間以内だったため、11時間短縮されたことになります。
1日あたり13時間以内を守っていても、出勤日数が多ければ1か月の上限を超えてしまう場合があります。
そのため、実際の勤務では1日ごとの拘束時間と月の合計の両方を意識して、シフトが組まれることが多いようです。
3.拘束時間に含まれるもの|労働時間と休憩時間の関係
「拘束時間13時間」と聞くと、13時間ずっと運転しているように感じるかもしれません。
ここでは、拘束時間に何が含まれるのかと、勤務と勤務の間に確保される「休息期間」について解説します。
拘束時間は「労働時間+休憩時間」
改善基準告示でいう「拘束時間」とは、会社に出社(始業)してから仕事を終えて退社(終業)するまでの時間全体を指します。
実際に運転している時間などの「労働時間」に加えて、休憩時間も含まれます。
つまり、13時間の拘束時間の中には、乗客を乗せて走っている時間だけでなく、客待ちの待機時間や休憩時間も組み込まれているということです。
求人票などで勤務時間を確認する際は、拘束時間と実働時間を分けて見ておくと、働き方をイメージしやすくなるでしょう。
日勤の休息期間は継続11時間が基本
拘束時間とあわせて押さえておきたいのが「休息期間」です。
休息期間とは、業務終了時刻から次の始業時刻までの、使用者の拘束を受けない時間のことです。
日勤の場合、勤務終了後には継続11時間以上の休息期間を与えるよう努めることが基本とされ、9時間を下回らないことが求められています。
改正前は継続8時間以上とされていたため、2024年4月の改正で休息のルールが強化されたことになります。
睡眠時間を確保し、疲労を回復させるための大切な時間といえるでしょう。
こうしたルールが実際の職場でどのように運用されているかは会社によって差があるため、求人を探す前に現場の事情を知っておきたい方は、業界に詳しい人に聞いてみるのも一つの方法です。
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4.日勤・隔日勤務の違いを比較
タクシードライバーの勤務形態には、主に昼日勤・夜日勤・隔日勤務があります。
ここでは、それぞれの勤務形態の特徴と、隔日勤務に適用される拘束時間のルールを紹介します。
昼日勤・夜日勤・隔日勤務の特徴
厚生労働省のポータルサイトでは、タクシー運転者の勤務体系として、日中に乗務する「昼日勤」、夜間に乗務する「夜日勤」、朝から翌朝2時頃までの長時間乗務を行う「隔日勤務」などが紹介されています。
昼日勤は朝から夕方までの勤務で、規則正しい生活を送りやすいと考えられます。
夜日勤は夕方から深夜までの勤務で、昼日勤とは生活リズムが大きく異なります。
隔日勤務は2日分の業務を1回の勤務で行う働き方で、勤務の翌日は「明け休」(勤務明けの休み)となり、公休(所定休日)とセットになります。
厚生労働省のjob tagによると、大都市では隔日勤務制をとるケースもあるとされています。
隔日勤務の拘束時間の上限(22時間以内、平均21時間以内)
隔日勤務の場合、2暦日(2日間にまたがる勤務)の拘束時間は22時間以内とされており、さらに2回の隔日勤務を平均して1回あたり21時間以内に収める必要があります。
勤務終了後の休息期間は、継続24時間以上を与えるよう努めることが基本とされ、22時間を下回らないことが求められています。
1か月の拘束時間の上限は262時間以内とされていますが、地域的その他特別な事情がある場合は、労使協定(会社と労働者側が結ぶ取り決め)により年6か月に限り270時間まで延長できます。
5.隔日勤務は睡眠時間や給料にどう影響する?
隔日勤務は1回の勤務時間が長い一方で、休みが多いという特徴があります。
ここでは、隔日勤務を検討する際に気になりやすい、睡眠と給料への影響について解説します。
隔日勤務と睡眠の関係
隔日勤務は1回あたりの拘束時間が長くなるため、勤務中にまとまった休憩を取る働き方が紹介されています。
厚生労働省のjob tagでは、大都市の隔日勤務の例として、1回19時間の勤務のうち3時間を休憩とする働き方が紹介されています。
ただし、深夜まで乗務するため生活リズムが不規則になりやすく、睡眠の質や量には個人差が出やすい働き方でもあります。
勤務終了後には継続24時間以上の休息期間を与えることが基本とされているため、明け休の時間でしっかり体を休めることが大切です。
隔日勤務の給料の考え方
隔日勤務は1回の勤務時間が長い分、月あたりの出勤日数は少なくなる傾向があります。
前述のとおり、厚生労働省のjob tagでは、大都市の隔日勤務の場合、月に12回から13回乗車する例が紹介されています。
給料については、基本給などのほかに、売上高に応じて給料が支払われる歩合制度を採用している会社が多いとされています。
拘束時間のルールを守ったうえで、どれだけ効率よく乗客を乗せられるかが収入に影響するといえるでしょう。
会社によって歩合率や保障給の有無が異なるため、求人票で確認しておくと安心です。
6.日勤の1日のスケジュール例
日勤は、拘束時間13時間以内(延長する場合でも上限15時間)というルールの範囲で1日の業務を行う働き方です。
ここでは、厚生労働省のポータルサイトで紹介されている例をもとに、昼日勤と夜日勤の1日の流れを紹介します。
昼日勤の1日の流れ
昼日勤は、朝から夕方までの勤務です。出勤後は、アルコール検査や健康状態のチェック、車両点検、点呼などを行い、朝礼に参加します。
その後、営業業務(乗務)に従事し、途中で昼食休憩を取ります。夕方まで乗務したら営業所に戻り、売上金の入金や日報の提出などを行って点呼を受けます。
最後に洗車を行って業務終了、という流れが一般的です。
規則正しい生活を送りたい人にとっては、隔日勤務や夜日勤に比べて生活リズムを維持しやすい働き方と考えられます。
夜日勤の場合
夜日勤は、夕方から深夜までの勤務です。
勤務の流れは昼日勤とほぼ同じで、出勤後の点呼や車両点検から始まり、乗務、帰庫後の入金や日報提出、洗車という順で進みます。
厚生労働省のjob tagによると、勤務時間は地域や事業所によって異なり、昼夜の毎日8時間制をとる会社もあるとされています。
なお、夜日勤の終業時刻が深夜0時を越える場合の扱いは、勤務設定によって異なる可能性があります。詳しくは勤務先に確認してください。
夜間の乗務は昼間と比べて生活リズムが変わるため、自分の体調や家庭の状況に合わせて勤務形態を選ぶことが大切です。
日勤で働きたいものの、昼と夜のどちらが自分の体調や家庭の状況に合うのか決めきれない方は、希望する生活リズムをもとに勤務形態の選び方からアドバイスをもらうと安心です。
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7.拘束時間ルールは会社選びの視点にもなる
拘束時間や休息期間のルールは、働く会社を選ぶ際の判断材料にもなります。
ここでは、改善基準告示の位置づけと、転職先を選ぶときに確認したいポイントを紹介します。
改善基準告示の位置づけ
改善基準告示は、法律ではなく厚生労働大臣告示であるため、違反しても罰則の規定はありません。
ただし、労働基準監督署の監督指導で違反が認められた場合は、是正に向けた指導が行われます。
また、2024年4月からは、自動車運転の業務にも時間外労働の上限(原則月45時間・年360時間、臨時的な特別の事情がある場合でも年960時間)が適用されています。
こちらは労働基準法に基づくもので、違反した場合には罰則が科されることがあります。
求人票や面接で確認したいポイント
拘束時間や休息期間のルールがきちんと守られているかどうかは、働きやすさや安全性を判断する一つの目安になります。
転職先を選ぶ際は、求人票や面接の段階で、勤務形態ごとの拘束時間や休憩の取り方について具体的に確認してみることをおすすめします。
たとえば、日勤であれば1日の拘束時間と月の出勤日数、隔日勤務であれば1回あたりの拘束時間と月の乗務回数(「13勤務」などの勤務数)を確認しておくと、改善基準告示の範囲内で働けるかどうかをイメージしやすくなります。
あわせて、休憩をどのタイミングで取れるのか、明け休や公休がどのように組まれるのかも確認しておくと、入社後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。
8.よくある質問
ここでは、タクシーの拘束時間ルールについて、気になりやすい疑問をまとめました。
勤務形態を選ぶ際や、今の働き方に疑問を感じたときの参考にしてください。
- ハイヤーの運転者にも同じルールが適用されますか?
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ハイヤー運転者については、本記事で紹介した拘束時間や休息期間の表はそのまま適用されません。
厚生労働省のポータルサイトでは、ハイヤー運転者の時間外労働について、1か月45時間・1年360時間を限度とし、臨時的な特別の事情がある場合でも1年960時間を超えないものとされています。
あわせて、必要な睡眠時間が確保できるよう、勤務終了後に一定の休息期間を与えることとされています。
ハイヤーでの勤務を検討している場合は、厚生労働省の資料や勤務先に個別に確認することをおすすめします。
- 拘束時間の上限を超えて働かされていると感じたときはどうすればよいですか?
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拘束時間の上限を超えた働き方が続いている場合は、まず社内の窓口や上長に相談してみましょう。
勤務記録や日報など、実際の拘束時間がわかる記録を手元に残しておくと、相談の際に状況を説明しやすくなります。
社内で改善が見られない場合は、最寄りの労働局・労働基準監督署に相談することも選択肢の一つです。
厚生労働省のポータルサイトでも、改善基準告示に関する問合せ先として、最寄りの労働局・労働基準監督署や働き方改革推進支援センターが案内されています。
社内や公的な窓口に相談しても状況が変わらず、今の職場で働き続けるべきか悩んでいる場合は、働く環境そのものを見直すことも視野に入れてみてください。
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9.タクシーの13勤務は月の出番数、日勤の13時間とは別のルール
本記事では、求人などで使われる「13勤務」(1か月に13回出勤する働き方)の意味と、混同されやすい日勤の1日の拘束時間「13時間以内(上限15時間)」を解説しました。
隔日勤務で月13回働く場合は、月262時間(労使協定で270時間)の上限や、2暦日22時間以内などの基準をふまえて、1回あたりの拘束時間が決まります。日勤には1か月288時間以内、休息期間は継続11時間が基本というルールもあります。

こうしたルールを正しく理解しておくことは、自分に合った勤務形態を選び、ルールを守っている会社を見極めるための判断材料になるでしょう。
