自動車検査員の難易度は?合格率・取得条件をわかりやすく解説!

自動車検査員の難易度は?合格率・取得条件をわかりやすく解説!

自動車検査員という資格に興味を持ち、「試験の難易度はどれくらいなのだろう」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

自動車検査員は、車検の完成検査を行う専門職です。整備士のキャリアアップの選択肢としても知られています。

結論からいうと、自動車検査員の試験の合格率はおおむね50〜70%程度とされ、試験そのものは比較的取り組みやすい水準といわれています。ただし、受験するまでに整備士資格と整備主任者としての実務経験が必要なため、取得までの道のりは長い資格です。

この記事では、自動車検査員資格の難易度や取得条件をわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること
  • 自動車検査員と整備士の違い
  • 資格取得の条件と試験の難易度
  • ドライバー職からの選択肢としての可能性

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目次

1.自動車検査員とは?整備士との違い

自動車検査員と自動車整備士は、同じ整備工場で働くことが多いため混同されがちですが、役割は明確に異なります。

ここでは、自動車検査員がどのような立場の資格なのか、整備士とどう違うのかを順に解説します。

自動車検査員は指定工場で完成検査を担う専門職

自動車整備工場には、国の認証を受けた「認証工場」と、そのうち設備や技術、管理組織などが一定の基準を満たして指定を受けた「指定工場」があります。

指定工場は一般に「民間車検場」とも呼ばれ、車両の検査を担当する「自動車検査員」を選任することが指定の要件の一つとされています。

自動車検査員は、指定工場で整備を終えた車両が保安基準に適合しているかを最終的に判断する役割を担います。

検査の結果が車検の可否に直結するため、責任の大きい立場です。

参考:国土交通省「自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。その違いは?」

整備士は「整備する人」、検査員は「確認・証明する人」

自動車整備士は、車両の点検や整備作業を実際に行う資格です。

一方、自動車検査員は、点検・整備が終わった車両を検査し、保安基準に適合しているかを証明する立場です。同じ工場で働いていても、両者の役割は異なります。

また、自動車検査員は誰でも目指せるわけではありません。

自動車検査員になるには、整備主任者として1年以上の実務経験を積んだうえで、地方運輸局長が行う教習を修了することが必要です。

整備主任者は1級または2級の自動車整備士資格を持つ人が務める整備の責任者です。そのため、自動車検査員は、整備士として経験を積んだ人がステップアップとして目指す資格といえます。

参考:国土交通省「自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。その違いは?」、四国運輸局「指定自動車整備事業規則第4条第1号に規定する自動車検査員の教習」

2.自動車検査員の仕事内容

自動車検査員の業務は、車両を検査するだけではありません。

検査結果の証明や記録の管理、法令改正への対応など、公的な性格を持つ業務が中心です。ここでは主な仕事内容を2つに分けて紹介します。

完成検査と保安基準適合証の交付

自動車検査員のメインの業務は、整備が完了した車両の完成検査です。

指定工場に車検を依頼した場合、工場で点検整備を行い、自動車検査員が検査した結果をもとに保安基準への適合を証明して保安基準適合証を交付します。この適合証を運輸支局などに提出することで、車両の持ち込みを省略できます。

検査員の判断が車検の手続きを左右するため、正確で公正な検査が求められます。

参考:国土交通省「自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。その違いは?」

検査記録の管理と法令情報の把握

完成検査に加えて、検査の結果を記録として残すことも、指定工場に求められている大切な手続きです。

指定整備記録簿への記載と保存

道路運送車両法では、指定自動車整備事業者は「指定整備記録簿」を備え、保安基準適合証などを交付した自動車について、点検・整備・検査の概要や検査年月日、自動車検査員の氏名などを記載しなければならないと定められています。

この記録簿は、記載の日から2年間保存することが義務づけられています。検査員の氏名も記録に残るため、検査は正確に行う必要があります。

参考:近畿運輸局「道路運送車両法(抜粋)」

自動車検査員研修の受講義務

自動車検査員には、保安基準適合性の判断などに必要な関係法令や主要通達について学ぶ「自動車検査員研修」があります。

指定自動車整備事業規則第14条では、指定自動車整備事業者は、新たに選任した検査員や、最後に研修を受けた年度の末日を過ぎた検査員に、地方運輸局長が行う研修を受けさせなければならないと定められています。

なお、2025年7月の制度改正により、この自動車検査員研修や整備主任者研修は、オンラインで実施できるようになりました。

資格を取って終わりではなく、毎年度の研修を通じて知識を更新し続ける仕事といえるでしょう。

参考:中国運輸局「整備主任者研修及び自動車検査員研修」、国土交通省「これからも自動車を安心・安全に使用できる社会に向けて~時代に合わせた整備事業規制のアップデート~」

検査員の仕事内容を知ったうえで、車両に関わる仕事のなかで自分にはどの働き方が合うのかを考えたい方は、業界に詳しい担当者の視点を取り入れてみるのも一つの方法です。

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3.自動車検査員になるには?資格取得の条件

自動車検査員になるには、整備士資格を持っているだけでは足りず、実務経験や研修受講などの条件を満たしたうえで教習と試験を受ける必要があります。

ここでは、受験に必要な条件と資格取得までの流れを確認しましょう。

教習の受講に必要な2つの条件

自動車検査員の資格を得るには、まず「自動車検査員教習」を受講できる条件を満たす必要があります。

条件は、①整備主任者として1年以上の実務経験があること、②直近の整備主任者研修(法令研修)を受講していること、の2点です。

整備主任者になるには1級または2級の自動車整備士資格が必要ですが、2級自動車シャシ整備士の資格だけを持つ人は教習の対象外です。なお、1級小型自動車整備士の資格を持つ人は、必要な実務経験が6か月以上になります。

また、2025年7月の法令改正により、2029年4月1日からは、自動運転車(自動運行装置を備えた車両)の検査を行う自動車検査員には、従来の要件に加えて1級自動車整備士の資格が必要になります。通常の車両の検査については、引き続き2級自動車整備士の資格から検査員を目指せます。

参考:四国運輸局「指定自動車整備事業規則第4条第1号に規定する自動車検査員の教習」、国土交通省「これからも自動車を安心・安全に使用できる社会に向けて~時代に合わせた整備事業規制のアップデート~」

自動車検査員教習から資格取得までの流れ

条件を満たしたら、自動車検査員教習を受講し、その修了試験に合格することで自動車検査員の認定証を取得するという流れになります。

一般的に「自動車検査員試験」と呼ばれているのは、この教習の修了試験(運輸局の案内では「修了試問」)のことです。

教習は地方運輸局長が行うもので、日程や申込方法は地域によって異なります。各地方運輸局(運輸支局)が公示するほか、地域の自動車整備振興会が案内している場合もあります。

修了試験はおおむね8月と12月の年2回実施されています。受講を検討する際は、管轄の運輸支局や自動車整備振興会の最新情報を確認しておきましょう。

参考:中部運輸局「自動車検査員教習」、専門学校日本工科大学校「自動車検査員の資格をとるには」

4.試験の難易度・合格率の目安

自動車検査員試験は、どの程度の難しさなのでしょうか。

ここでは、合格率の目安と合格基準、出題内容のポイント、勉強方法を整理します。数字はあくまで目安として参考にしてください。

合格率はおおむね50〜70%程度が目安

自動車検査員試験の合格率は、全国一律の公式データとして公表されているわけではありません。

ただし、例年の合格率は50〜70%程度とされており、他の資格試験と比べても比較的取り組みやすい水準といわれています。

一方で、資格自体の難易度はそれほど高くないものの、受験資格を得るまでに整備士資格や実務経験が必要なため、取得までの道のりは長いとされています。

試験そのものより、受験条件を満たすまでの期間が大きなハードルといえるでしょう。

参考:専門学校日本工科大学校「自動車検査員の試験の難易度とは?」

合格基準と出題内容のポイント

試験では、主に法令関係と検査・整備に関する内容が出題されます。

出題分野は「検査に関する項目」と「基礎法令・整備士法令」の2つで、形式は選択式と計算問題です。

注意したいのが合格基準です。

全体で8割以上の正答に加えて、各章で6割以上の正答率が必要とされており、全体の点数が足りていても苦手な章が6割を下回ると不合格になります。

得意分野で点数を稼ぐだけでなく、全分野をまんべんなく学習しておくことが大切です。

参考:専門学校日本工科大学校「自動車検査員の資格をとるには」

地域・年度による違いと最新情報の確認

自動車検査員試験は各地域で実施されるため、出題内容や合格率は地域や年度によって変動する可能性があります。

合格率が10%台になる地域もあるとされ、法令改正のポイントは特に出題されやすい傾向があるといわれています。

そのため、合格率の数字だけで難易度を判断せず、受験する地域の過去問や最新の法令情報を確認しながら準備を進めることが重要です。

正確な最新情報は、教習を実施する地方運輸局(運輸支局)や、地域の自動車整備振興会に確認することをおすすめします。

参考:専門学校日本工科大学校「自動車検査員の資格をとるには」

合格に向けた勉強方法

試験は年2回のため、1回の受験で合格できるよう計画的に準備しておきたいところです。一般的には、次のような進め方が勧められています。

  • 受験する地域の過去問を3〜5年分、合格点が安定して取れるまで繰り返し解く
  • テキストは法令の変更に対応した最新版を使う
  • 整備主任者として実務経験を積む期間から、早めに学習を始める

古い法令のまま覚えてしまうと、試験だけでなく実務にも影響するおそれがあります。学習教材は必ず最新のものを確認しておきましょう。

参考:専門学校日本工科大学校「自動車検査員の試験の難易度とは?」、専門学校日本工科大学校「自動車検査員の資格をとるには」

5.ドライバー職から整備・検査分野を目指す選択肢

自動車検査員は整備士のキャリアアップとして語られることが多い資格ですが、運送業界でドライバーとして働く中で、車両整備や検査の分野に関心を持つ方もいるかもしれません。

ここでは、ドライバー職から整備・検査分野を目指す場合の考え方を紹介します。

まずは自動車整備士資格の取得からスタート

ドライバー職から自動車検査員を目指す場合、最初のステップは自動車整備士資格の取得です。ここでは、資格取得の進め方と、検査員になるまでの流れを順に確認します。

3級・2級と段階的に受験するのが一般的

働きながら資格を目指す場合は、整備の実務経験を積んで3級、2級と段階的に受験するのが一般的です。

各段階で実務経験が必要になるため、ドライバー職から目指す場合は、整備工場など実務経験を積める職場への転職も含めて計画を立てることになります。

2025年の法令改正で実務経験期間が短縮

2025年7月8日の法令改正では、2級・3級自動車整備士の受験に必要な実務経験期間が短縮されました。具体的には、3級は1年から6か月、2級は3年から2年に短縮されています。

なお、必要な実務経験期間は学歴や養成施設の修了状況によって異なるため、詳しくは地域の自動車整備振興会で確認しておきましょう。

自動車検査員になるまでの流れ

2級取得後は、整備主任者として経験を積むことで検査員への道が開けます。全体のおおまかな流れは、次のとおりです。

  • 整備の仕事に就き、実務経験を積んで3級自動車整備士を取得する
  • さらに実務経験を重ねて2級自動車整備士を取得する
  • 整備主任者として1年以上の実務経験を積む
  • 自動車検査員教習を受講し、修了試験に合格する

参考:国土交通省「これからも自動車を安心・安全に使用できる社会に向けて~時代に合わせた整備事業規制のアップデート~」、専門学校日本工科大学校「自動車検査員の資格をとるには」

車両に関わる仕事という共通点を活かす

ドライバー職と整備・検査職では、求められるスキルや働き方が異なります。

ドライバーは安全な運行が主な役割であるのに対し、整備士や検査員は車両の状態を技術的に確認し、安全を支える役割を担います。

一方で、どちらも車両に関わる仕事という共通点があります。ドライバー職は日常的に車両と接するため、整備や点検の重要性を意識する場面もあります。

運転だけでなく車両整備の分野にも興味がある場合は、資格取得に必要な期間や働き方の変化も踏まえつつ、こうしたキャリアパスを選択肢に入れてみるとよいでしょう。

整備・検査分野に進むか、ドライバーとしての経験を活かせる職場を探すか決めきれない場合は、今後のキャリアの方向性を第三者と一緒に整理してみてはいかがでしょうか。

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6.よくある質問

ここでは、自動車検査員を目指すにあたって気になりやすい疑問をまとめました。

検査員の立場や年収の目安など、資格取得を検討する際の参考にしてください。

自動車検査員は公務員ですか?

自動車検査員は公務員ではなく、指定工場(指定自動車整備事業者)に選任されて働く民間の従業員です。

ただし、道路運送車両法第94条の7により、保安基準適合証の交付などの業務に従事する自動車検査員は、刑法などの罰則の適用については「法令により公務に従事する職員」とみなされます。いわゆる「みなし公務員」と呼ばれる立場です。

また、検査員が業務について不正な行為をした場合、地方運輸局長は指定自動車整備事業者に対して、その検査員の解任を命じることができると定められています。

民間の立場でありながら公的な責任を負う仕事であるため、公正で正確な検査が強く求められます。

参考:近畿運輸局「道路運送車両法(抜粋)」

自動車検査員の年収はどのくらいですか?

勤務先によっては、自動車検査員の資格に対して資格手当が支給される場合があります。

ただし、手当の有無や金額、給与水準は勤務先の規模や地域、経験年数によって差があるため、具体的な金額は一概にはいえません。

実際の給与水準を知りたい場合は、求人情報などで確認することをおすすめします。

参考:専門学校日本工科大学校「自動車検査員の資格をとるには」

給与や待遇は勤務先によって差が大きいため、求人票だけではわからない実情まで知りたい方は、一人で調べるよりも人に聞いてみるのが近道です。

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7.自動車検査員は実務経験を積んで目指す専門資格

自動車検査員は、指定工場で車検の完成検査を担う資格です。試験の合格率はおおむね50〜70%程度とされ、試験そのものは比較的取り組みやすい水準といわれています。

ただし、受験には1級または2級の整備士資格や、整備主任者としての1年以上の実務経験などの条件があります。取得までの道のりも含めて計画を立てることが大切です。

整備・検査分野は、ドライバー職からキャリアを広げる選択肢にもなり得ます。関心がある場合は、資格取得を含めたキャリアプランを検討してみてください。

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